使い終わりを想定したモノの設計・長寿命化の重要さを認識
当社は、2024年7月11日に芝浦⼯業⼤学(東京都江東区、学⻑:⼭⽥ 純、以下「芝浦⼯⼤」)デザイン⼯学部デザイン⼯学科⽣産・プロダクトデザイン系リサイクルデザイン研究室の田邉 匡生教授が担当する生産加工学の授業の一コマにて、約30名の学生らに対し、当社グループの循環型ビジネスモデル、及び社会、環境に対する取り組みを紹介する出前授業を行いました。
芝浦工大生産加工学授業の概要
田邉 匡生教授が担当する生産加工学授業のコンセプトとして、単なるモノづくりではなく「使い終わる時を想定したモノの生産設計の重要性」をテーマに開講されています。製品設計・生産設計・生産管理の各階層に関連する工学分野の専門知識を学ぶことにより、これからの循環型生産プロセスを構築でき、その品質管理も実践できるリーダーとなっていくことを目指しています。製品寿命を製品設計の時点から考慮することで、よりリユース・リサイクルをしやすくなり、地球環境を守っていくために循環型社会を築いていく基礎となります。
地球の資源は有限であり、これまでの資源利用の見直しが求められてきている中、田邉教授は「どんなモノにでも、必ず寿命は来る。これからモノ作りに携わる人に求められるのは、使い終わりを想定してデザインできる発想力、考え方」であるということを、授業を通じ学生らに伝えています。
循環型のビジネスモデルを採用する当社の取り組みを紹介
当社は設立以来35年間、一貫してIT機器のリユース・リサイクルを推進し、地球環境悪化の抑制と資源の再活用を通じて社会に貢献することを企業理念としています。出前授業では、持続可能な社会の新たなスタンダードを作るという目標の元、「ITライフサイクル」をビジネスモデルとする循環型の事業内容を紹介しました。
当社が全国展開しているRe-Valueサービス※1で、民間企業や官公庁、教育機関等で使用されたパソコンを始めとするIT資産全般を引取・回収し、まだ使用できるパソコンに関してはリファービッシュ※2を行うことによって新品と同様に利用できることを説明しました。また、環境面・金額面でのコストを抑えたリユースパソコンに、お客様のご要望に応じてキッティングを施し、Re-Value PC®として提供するリユースパソコンレンタルサービスのLCMサービス※3についても学生に説明しました。そして、使用ができなくなった機器に関しては再資源化を行うことで「二周目」以降のITライフサイクルをサポートしていることを紹介しました。
加えて、2023年9月1日付で、新品パソコンのキッティングや医療ITサポートを含むIT端末の保守・サポートを強みとする株式会社ビー・テックを完全子会社化したことを紹介し、これにより当社では対応できなかったパソコンの上流部分からITライフサイクル全般をカバーできるようになったことを説明し、グループ全体で、循環型社会の実現を推進し、業界をリードし続けることを強調しました。
質疑応答 − 授業に参加した学生からの声
Q. 実際、お客様にビジネスモデルを提示する(営業する)時には何をメインに説明しますか?
A. 例えば、Re-Valueサービスを挙げると、様々なコストを削減できるという点に重点を置きご説明します。社会貢献、環境に対する取り組み以外にも、実際にお客様にメリットを感じていただけなければ、サービスを利用しようとはならないと考えます。そもそも「廃棄物」としてPCを捉えず、「資産」として買い取らせていただくため、廃棄物処理の際に必要な「マニフェスト」の発行、及び5年間管理することが不要となります。その上、専用ソフトによる消去、磁気による消去、物理的に破砕する3種類から選択していただき、完全にデータ消去を行います。全OA機器の廃棄を当社一社で完結でき、業界では35年の実績があるという点でも信頼していただいております。
Q. 破砕、データ消去されたHDD・SSDはその後どのように処理されるのですか?
A. まず、ご要望があった場合には、完全にデータ消去が完了した証拠として、破砕済みHDD・SSDを撮影し、その画像をデータ消去証明書に添付してお客様にお出しします。専用ソフトによる消去を選択されたお客様には、データ消去証明書を提出いたします。そして、モノとしての「その後」は、分解・分別後に再資源化し、資源商に販売を行っています。
Q. LCMサービスでは、リユースPCのレンタルをメインとしておられますが、PC以外にも取り扱われる予定ですか?
A. はい。現在、デスクトップPC、ノートPC、液晶モニターを主力にBtoBで事業展開しています。今後BtoBにおいても、スマートフォンとタブレットのボリュームが増え続け、PC以上に需要が高まれば転換していくかもしれません。当社では、デスクトップPC、ノートPC、一体型PC、サーバー、液晶モニターの5つを「主要五品目」と呼んでおりますが、当然、スマートフォン・タブレット端末を含めると今後、「主要六, 七品目」となり移り変わっていく可能性があります。
また、20年前にはスマートフォンがある世界を想像できなかったように、電子機器はこれからも進化し続ける可能性があります。機能的にもサイズ的にもどのようなものが出てきて、それに当社がどのように対応していけば良いかも未知数ですが、常にトレンドを追い社会の需要に応えられるよう邁進していきます。
用語解説
(※1):Re-Value サービス
お客様の不要になったパソコンやIT機器の回収・買取を行うサービス。廃棄コストを削減できるだけでなく、マニフェスト取得や管理といった管理コストも削減可能で、豊富なデータ消去方法によりデータを確実に消去し、情報漏洩も防ぎます。使用できる機器はリユース、使用できない機器は自社の中間処理工場を通じて適切に再資源化を行います。
(※2):リファービッシュ
各種部品の検査、必要に応じて部品交換、動作確認、外装のクリーニングを行い、再び使用できる状態にすること。
(※3):LCMサービス
Life Cycle Managementの略。IT資産運用をライフサイクルの各プロセスに応じて支援するサービス。不要となった情報機器を「資産」として再評価し、選別処理・買取を行い、厳格な品質管理とクリーンアップ作業を施した後、お客様の希望設定でご提供。サポートデスクや3年間無償交換などの保守対応を行いながら全国で5万台以上のレンタルサービスを展開中。
本件に関する報道機関ならびにお客様からのお問い合わせ先
日本システムケア株式会社 環境イノベーション推進室
電話番号:03-6228-1010
メールアドレス: eip@j-sc.co.jp
ご参考
– 芝浦⼯業⼤学 デザイン⼯学部のウェブサイト:https://renew-sit-eng-design.jp/
– 田邉研究室(リサイクルデザイン研究室)のウェブサイト:https://recycledesignsit.com/