Windows11では、従来のWindowsと比較していくつかの設定項目が変更されており、初回セットアップ時の選択によってはセキュリティやユーザビリティに影響を及ぼす可能性があります。今回は、新しいPCを購入した際に必要となる一連の設定作業を、具体的な操作手順とともに解説します。

Windows11の初期設定をする前に押さえておくべきこと

Windows11の初期設定をする際は、主にMicrosoftアカウントとローカルアカウントの2つの方法があります。

Microsoftアカウントは、インターネットを介してMicrosoftのサービスと連携するアカウントです。Windows PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスで同じアカウントを使用できる利点があります。

ローカルアカウントは、そのPCでのみ使用できるアカウントです。Microsoftのオンラインサービスとは連携せず、クラウド同期も行いません。

Windows11の初期設定をする前に押さえておきたいこととして、まずは、企業におけるアカウントの選び方と注意点を解説します。

企業におけるアカウントの選び方

初回セットアップ時にはMicrosoftアカウントを新規作成するか、既にお持ちのアカウントでログインするよう案内されます。

しかし、企業でのPC利用においては、ローカルアカウントの使用が推奨されています。

ローカルアカウントはデータがPC内部のみに保存されるため、クラウドサービスとの自動同期による意図しない情報流出を防ぐことができます。

大規模・中規模企業では、「Active Directory」を使用した認証システムも導入されることが一般的です。

Active Directoryは、企業や組織のネットワークを集中管理するためのMicrosoftのシステムです。組織内の全てのユーザーアカウントやコンピューター、ネットワークリソースを一元的に管理することができます。

Active Directoryアカウント(ドメインアカウント)を使用することで、社員の異動やPCの入れ替え時のアカウント管理も効率的に行うことができます。

企業におけるアカウント管理の注意点

企業でのアカウント管理において、特に注意が必要なのがローカル管理者アカウントの扱いです。

複数のPCで同一のパスワードを使用すると、マルウェア感染時にリスクが拡大する可能性があります。

実際に、2015年の日本年金機構における情報漏洩事件では、ローカル管理者アカウントのパスワードが共通であったことが被害拡大の一因となりました。

また、Microsoftアカウントを企業で使用する場合は、クラウドサービスとの連携について慎重に判断を行うことが必要です。

OneDriveなどのクラウドストレージとの自動同期は、意図しない情報流出のリスクとなる可能性があります。

そのため、業務上必要なサービスのみを選択的に利用し、クラウド同期は必要最小限に制限することが推奨されます。

セキュリティポリシーに基づいた適切なアカウント管理を行いましょう。

【ローカルアカウント編】Windows11の初期設定の手順

ここでは、ローカルアカウントを使ったWindows11の初期設定の手順を紹介します。

1.電源を入れ、言語選択画面が表示されるまで待機
2.言語設定を「日本語」に選択して「はい」をクリック
3.国/地域を選択して「はい」をクリック
4.キーボードレイアウトで「Microsoft IME」を確認して「はい」をクリック
5.「ネットワークに接続しましょう」画面で「インターネットに接続していません」を選択
6.「制限された設定で続行」をクリック
7.ライセンス契約を確認して「同意」をクリック
8.「このデバイスを使うのはだれですか?」画面でアカウント名を半角英数字で入力
9.パスワードを設定
10.プライバシー設定を選択して「同意」

最後のセットアップ段階では、「設定を準備しています」という画面が表示されます。

この画面が表示されてからデスクトップ画面が完全に表示されるまでには数分かかることがありますが、PCの電源を切らずにそのまま待ちましょう。

デスクトップ画面が表示されれば、初期設定は完了です。

【Microsoftアカウント編】Windows11の初期設定の手順

次に、MicrosoftアカウントでWindows11の初期設定をする際の手順についても紹介します。

1. パソコンに電源コードとACアダプターを接続し、電源ボタンを押す
2. 「国または地域」画面で「日本」を選択し、「はい」をクリック
3. キーボードレイアウトで「Microsoft IME」を確認し、「はい」をクリック
4. 「2つ目のキーボードレイアウト」画面で「スキップ」をクリック
5. 「ネットワークに接続しましょう」画面でWi-Fiを選択し接続
6. 接続完了後、「次へ」をクリック
7. ライセンス契約を確認し「同意」をクリック
8. 「デバイスに名前を付けましょう」で「今はスキップ」をクリック
9. 「Microsoft エクスペリエンス」画面で「サインイン」をクリック
10. 「Microsoft アカウントを追加」画面で「作成」をクリック
11. 「新しいメールアドレスを取得」をクリック
12. メールアドレスを入力し「次へ」をクリック
13. パスワードを設定し「次へ」をクリック
14. 姓名を入力し「次へ」をクリック
15. 生年月日と国/地域を設定し「次へ」をクリック
16. セキュリティ情報を追加し「次へ」をクリック
17. 認証クイズに回答
18. 「新しいPCとしてセットアップする」を選択し「次へ」をクリック
19. PINを作成し「OK」をクリック
20. プライバシー設定を確認し「次へ」で進め「同意」をクリック
21. エクスペリエンスのカスタマイズで「スキップ」をクリック
22. 「PCから電話を使用する」で「スキップ」をクリック
23. 「PC Game Pass」で「今はしない」をクリック
24. 更新プログラムの確認が完了するまで待機

最後に、「更新プログラムを確認しています」という画面が表示されます。この段階で新しいバージョンのWindowsが見つかった場合は、自動的にインストールが開始され、パソコンが再起動することがあります。

アップデートの確認やインストールには時間がかかる場合がありますが、この間は電源を切らずにそのまま待ちましょう。

すべての更新プログラムの確認とインストールが完了すると、自動的にデスクトップ画面が表示され、Windows 11の初期設定は完了です。

Windows11の初期設定後にやるべきこと

セットアップ完了後は業務に必要な環境を整えるため、下記の設定作業を行います。

1. メール環境の構築
2. Microsoft Office製品の設定
3. データ移行
4. プリンター環境の構築
5. 業務アプリケーションの導入

これらの作業は、企業の情報システム部門のガイドラインに従って実施しましょう。

特に、ソフトウェアのインストールやデータの移行については、セキュリティポリシーを遵守しながら進めることが重要です。

なお、データ移行の方法については下記の記事で詳しく解説しています。
PCのデータを安全に移行する方法|準備や手順、注意点について紹介

まとめ

Windows 11の初期設定では、言語設定から始まり、アカウント作成、プライバシー設定、システムアップデートという手順で進めていきます。企業での利用においては、セキュリティポリシーに沿った適切なアカウント管理が重要です。

なお、企業での大規模な環境構築においては、PCの購入から初期設定、運用、廃棄までを一貫して管理することが望ましく、専門のサービスを活用することで効率的に導入できます。

もし、複数台のPCを同時に設定する必要がある場合や、これから全体的なPCの入れ替えを検討している場合は、日本システムケアへご相談ください。高品質なリユースPCの購入から、初期設定を含むキッティング作業、その後の保守・運用、廃棄まで一貫してお任せいただけます。

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