PCの電源が繰り返し突然落ちる現象には、いくつかの原因があります。企業の担当者にとっては業務効率の低下だけでなく、データ損失のリスクも高まるため、迅速な対処が必要です。
今回は、PCの電源が繰り返し落ちる主な原因と、具体的な対処法を6つ解説し、それでも解決しない場合の対応についても触れていきます。
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目次
PCの電源が繰り返し落ちる主な原因
企業内のPCで電源が繰り返し落ちる現象が発生している場合は、以下の原因を疑いましょう。
PC内部が高温になっている
PCの電源が繰り返し落ちる原因のひとつは、PC内部が高温になっていることです。
PCは熱に弱い精密機械であり、通常はファンによって内部を冷却しています。しかし、冷却ファンの故障や、ホコリの蓄積によって冷却機能が低下すると、PC内部の温度が上昇してしまうのです。
温度が上がりすぎると、PCが誤作動を起こさないために保護機能が働き、自動的に電源が切れます。
こうしたケースでは、電源が落ちた際にPC本体が熱を帯びているという特徴がみられます。
電力が不足している
PCを正常に稼働させるための電力が不足していると、突然電源が落ちる現象が繰り返し発生します。
電力不足の主な原因には下記の通りです。当てはまるものがないか確認しましょう。
・電源コードやケーブルの接触不良
・コンセントからの供給電力の不安定さ
・UPS(無停電電源装置)の不具合
・PCの構成に対して電源ユニットのワット数が不十分
・周辺機器の接続による電力消費の増加
ソフトウェアにトラブルが発生している
ソフトウェアのインストールやアップデート直後から電源が繰り返し落ちるようになった場合は、ソフトウェアに関連するトラブルが考えられます。
特にCPUやメモリへの負担が大きいソフトウェアを導入した後に症状が現れた場合、そのPCのスペックでは処理能力が不足し、熱暴走(※)を起こしていることが考えられます。
企業環境では、一斉に導入した新しいソフトウェアやセキュリティアップデートが原因になっていることもあるため、導入のタイミングと症状発生の関連性を確認することが重要です。
※熱暴走…PC本体が何らかの理由で高温の状態になり、正常に動作しなくなること。このとき、強制終了するなどの防衛機能が作動することがある。
ハードウェアが故障・劣化している
モニターやハードディスクなどのハードウェアの故障・劣化も、PCの電源が繰り返し落ちる原因のひとつです。
特に、導入から数年以上経過しているPCや、毎日長時間使用している業務用PCは劣化が進んでいる可能性があります。
ハードウェアに問題がある場合は、電源が落ちる現象以外にも、「ブルースクリーン(※)」や、動作の著しい低下などの症状が現れることがあります。
症状によっては、部品交換だけでなく、PCの買い替えが必要になるケースもあります。
※ブルースクリーン…青い画面に白文字で注意文が表示される状態。
PCウイルスに感染している
PC内部へのウイルス感染も、突然の電源トラブルの原因となります。
ウイルスに感染すると、CPUに過度な負荷をかけたり、重要なシステムファイルを破壊したりするなど、ハードウェアやソフトウェアに悪影響を与えます。結果として、電源が落ちるというわけです。
感染後、明らかな異常が現れるケースもありますが、バックグラウンドで見えないところで動作し続けるタイプのウイルスもあるため注意が必要です。社内のセキュリティ対策の見直しもあわせて検討すべきでしょう。
停電の影響を受けている
社内で停電が発生し、電力供給が不安定になっていると、複数のPCで電源が繰り返し落ちる現象が起こることがあります。
停電の場合は、照明や空調など他の電化製品も同時に使用できなくなるため、原因の特定は比較的容易です。
ただし、停電によって何度も強制シャットダウンが繰り返されると、PCのハードウェアやファイルシステムに大きな負荷がかかり、深刻な障害を引き起こすことがあるため注意しましょう。
電力供給が安定するまではPCの電源を切っておくことをおすすめします。
PCの電源が繰り返し落ちるときの対処法6選
企業内のPCで電源が繰り返し落ちる現象に対して、有効な対処法は以下の通りです。
1.PCの熱を冷ます
PC内部の高温は、電源が落ちる主な原因のひとつです。
まず次のような方法でPCを冷却しましょう。
・PCの排気口や吸気口の周りにあるホコリを掃除する
・デスクトップPCは側面カバーを外して内部のホコリを掃除する
・冷却ファンが正常に動作しているか確認する
・PC専用の冷却台や冷却パッドを使用する
・PCを風通しの良い場所に設置する
この際、濡れタオルなど水分を含むもので直接PCを冷やすと故障につながるため、絶対に避けてください。
また、給気口や排気口のホコリも熱がこもる原因になるので、定期的な内部清掃のメンテナンスルーティンを設けることも重要です。
2.バッテリーの状態を確認する
ノートPCを使用している場合は、バッテリーの劣化状況を確認しましょう。
バッテリー容量が購入時の50%を下回っている場合や、充電回数が数百回を超えている場合は交換を検討する必要があります。
■Windowsの確認方法
2.検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして、「管理者として実行」を選択する
3.コマンドプロンプトに「powercfg/batteryreport」と入力してEnterキーを押す
4.「バッテリーレポートが C:\Users<ユーザー名>\battery-report.html に保存されました」と表示されるため、保存先に移動して確認する。
■Macの確認方法
2.「システムレポート」をクリック
3.「電源」を選択し、「バッテリー情報」で現在の充電容量と設計容量を確認
3.特定のソフトウェアをアンインストールする
特定のソフトウェアを使用したときのみに電源が落ちる現象が発生する場合は、該当するソフトウェアをアンインストールして様子をみましょう。
特に最近インストールしたソフトウェアや、社内で一斉導入した業務用アプリケーションが原因である可能性があります。
アンインストール後は必ず再起動を実行し、問題が解決したかどうかを確認してください。
4.システムやソフトウェアをアップデートする
OS(WindowsやMacOS)やドライバー、重要なソフトウェアが最新バージョンになっているか確認し、必要に応じてアップデートしましょう。
未適用のアップデートが電源問題の原因の場合があります。
■Windowsのアップデート方法
2.「Windows Update」をクリック
3.画面右側にある「更新プログラムのチェック」をクリック
4.利用可能な更新プログラムがあれば、インストールする
5.必要に応じて、「今すぐ再起動」 ボタンを押してアップデートを完了する
Windows 10以上では、ソフトウェアの更新は基本的に自動で行われますが、何らかの理由で無効になっていることもあります。
Windowsストアアプリを開き、「設定」から「アプリの自動更新」を有効にしておくことをおすすめします。
■MacOSのアップデート方法
2.利用可能なアップデートがあれば、「今すぐアップデート」をクリック
関連記事:「Windows10のサポート終了でどうなる?企業が対応すべきポイント」
5.周辺機器を取り外し再起動する
PCに接続されている周辺機器が原因で電源問題が発生していることがあります。
すべての周辺機器(外付けHDD、USBメモリ、プリンター、スキャナーなど)を取り外し、PCを再起動してみましょう。
特に、USBハブを介して複数のハードウェアを接続している場合は注意が必要です。電力消費量が増加したり、PCの処理負荷が高まって不具合が発生したりするケースがあります。
問題が解決したら、周辺機器をひとつずつ接続し直して、どのデバイスが原因か特定してください。
6.PC内部の電気を放電する
PC内部に蓄積された静電気が原因で電源が落ちることもあります。
下記の手順で放電を試みましょう。
■デスクトップPCの場合
2.電源ボタンを15〜30秒間押し続ける(内部に残った電気を放出する)
3.電源ケーブルを再接続し、PCを起動する
■ノートPCの場合
2.バッテリーが取り外し可能な機種の場合は、バッテリーを取り外す
3.電源ボタンを15〜30秒間押し続ける(内部に残った電気を放出する)
4.バッテリーと電源ケーブルを再接続し、PCを起動する
これらの対処法を試しても問題が解決しない場合は、ハードウェアの故障が疑われるため、専門の修理業者に相談するか、PCの交換を検討することをおすすめします。
製造元のサポートへの問い合わせも有効です。
それでも直らない・PCの寿命が疑われる場合は買い替えも検討しよう!
さまざまな対処法を試しても電源が繰り返し落ちる問題が解決しない場合は、PCの寿命が近づいている可能性があります。適切なタイミングでの買い替え判断が重要です。
一般的にビジネス用PCの耐用年数は4〜5年とされています。この期間を超えて使用しているPCで電源トラブルが頻発する場合は、修理よりも買い替えを検討すべきでしょう。
買い替えには確かに導入コストがかかりますが、業務効率の向上や保守コストの削減といった長期的なメリットもあります。
なお、導入コストを抑えたい場合は、中古PCも選択肢のひとつです。高品質な整備済み中古PCであれば、新品より安価でありながら十分な性能を確保できます。
日本システムケアでは、高品質なリユースPCの導入をサポートしております。導入後のPCの保守・運用、修理、廃棄なども一括でお任せいただけますので、PC管理に負担を感じている担当者の方はぜひ一度お問い合わせください。
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