機密情報の漏洩は大きなリスクとなるため、ハードディスクの破壊やデータ消去を確実に行うことが重要です。今回は、ハードディスクの破壊方法を具体的に紹介するとともに、自力で破壊するリスクや物理的破壊以外のデータ消去方法についても解説します。

PCのハードディスクを破壊する方法

PCのハードディスクを物理的に破壊することで、データ漏洩のリスクを抑えることができます。ここでは、ハードディスクを破壊する方法を3つ紹介します。

方法1|分解する

ハードディスクを分解することで、データを読み取れなくする方法です。部品にホコリや汚れが付着するため、再度組み立ててもデータを読み取れない場合がほとんどです。

ただし、完全にデータを消去する方法ではない点に注意しましょう。

方法2|工具で破壊する

ハンマーや電動ドリルなどの工具で、ハードディスクを物理的に破壊する方法です。プラッターに穴を開けたり、強い衝撃を与えたりする方法があります。

例えば、電動ドリルで複数の穴を開けることで、記録面が破壊され、データを読み取れなくなります。ただし、物理破砕そのものは「読み取りにくくする作業」であり、必ず読み取れなくなるわけではありません。

方法3|専用の機械で破壊する

ハードディスク専用の破壊機を使用する方法があります。ハードディスクを細かく粉砕することで、データの復元を不可能にします。また、加圧装置で物理的に変形させることで、ハードディスク自体を使えない状態にすることも可能です。

ただし、専用機器は高価なため、大企業やデータ消去業者で使用されるケースがほとんどです。

ハードディスクを自力で破壊しないほうが良い理由

PCのハードディスクを自力で破壊することは、次の理由によりおすすめできません。

怪我のリスクがある

ハードディスクを工具で破壊する作業には、多くの危険がともないます。例えば、ハンマーで叩いた際に金属片や破損した部品が飛び散り、周囲の方や自分が怪我をする可能性があります。また、ドリルで穴を開ける際は、強い力が加わることで手元が狂い、ハードディスクを押さえている手を怪我しかねません。

怪我のリスクを抑えるためには、金属片が飛散しないようにゴーグルや手袋を使用する必要がありますが、防具を着用しても100%安全に作業することは困難です。

家庭用の道具では強度が足りない

ハードディスクの外装や内部の金属部品は頑丈に設計されているため、家庭用のハンマーやドリルでは、ハードディスクの内部にあるプラッターを完全に破壊できない場合があります。

ディスクの記録面が完全に破壊されない場合、データが悪質な第三者によって復元されるリスクが高まります。

専用の機械は高額になりやすい

ハードディスクを確実に破壊するための専用機械(シュレッダーや加圧破壊機)は数十万円以上するため、主に大企業やデータセンターなどが導入します。

個人や中小規模の法人ではコスト面がネックとなり、導入をためらうケースが多いでしょう。

破壊してもデータを読み出せる場合がある

ハードディスクの一部が破損しても、記録面の一部が残っている限り、悪質な第三者によってデータを復元される可能性があります。

確実にデータを消去するためには、物理破壊以外の、データ消去ソフトによる消去方法の検討なども重要です。実際に、官公庁などでは、専用ソフトでの消去を行った後に、追加で物理破壊を行っている例もあります。

PCのデータを安全に消去する方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:「PC処分で安全にデータを消去する方法!注意点も解説

物理的な破壊以外でハードディスクのデータを消去する方法

ハードディスクのデータは、物理的破壊以外にも次の方法で消去できます。

有料のデータ消去ソフトを使う

有料のデータ消去ソフトを使用することで、HDDやSSD上のデータを復元不可能な状態にできます。保存領域にランダムな数字や固定値を複数回上書きし、元のデータを消去します。

有料ソフトが推奨されるのは、国際的なデータ消去規格(NIST SP 800-88やIEEE2883-2022、DoD 5200.28-Mなど)に準拠している製品が多くあるからです。PCメーカーが提供するデータ消去ツールは、サポート体制や保証が充実している傾向があります。

Windows搭載の機能を使う

Windows10やWindows11には、PCを初期化する機能が備わっており、手軽にデータを消去できます。HDD内のデータを削除し、PCを出荷状態に戻すことが可能です。ただし、データ消去規格に準拠した方法ではないため、必ずしも完全にデータ消去ができるわけではなく、データ復元のリスクが残ることに留意してください。

Windows10/11のデータ削除機能の操作手順について、詳しくみていきましょう。

Windows10でデータ消去する方法

(1)Windowsマークをクリックし、「設定」→「更新とセキュリティ」→「このPCを初期状態に戻す」と進みます。
(2)「開始する」をクリックし、「すべて削除する」を選択します。
(3)「ローカル再インストール」を選び、「次へ」をクリックします。
(4)「このPCをリセットする準備ができました」の画面が表示されたら「リセット」をクリックし、完了まで待ちます。

Windows11でデータ消去する方法

(1)Windowsマークをクリックし、「設定」→「システム」→「回復」を選択します。
(2)「PCをリセットする」を選び、「すべて削除する」をクリックします。
(3)「ローカル再インストール」を選んで「次へ」をクリックします。
(4)「リセット」をクリックし、消去が完了するまで待ちます。

PCの回収業者に依頼する

PCを処分する際のデータ消去は、専門の回収業者へ依頼することが最も簡単な方法です。

例えば、事務所内のPCを大量に入れ替える場合、各PCの消去や分解処理を自力で行うのは負担が大きいでしょう。業者に依頼することで、データの消去からPCの物理的な処分までワンストップで対応してくれるため、複雑な廃棄プロセスを省略できます。

さらに、多くの回収業者はデータ消去の証明書を発行してくれるため、万が一に備えたい場合も安心して利用できます。

業者を選ぶ際は、実績が豊富で信頼性の高い企業を選ぶことが重要です。評判や実績の確認に加えて、データ消去の品質と廃棄処理の正確さが担保されているかどうかもチェックしましょう。

まとめ

PCのデータ消去と処分には、専門業者に依頼する方法が最も安全かつ効率的です。PCの回収業者では、データ消去と処分を一括で委託できるほか、データ消去証明書を発行してもらえるため安心感も得られます。さらに、Re-Valueサービスのような資産売却を含むサービスを利用すれば、廃棄コストを削減し、環境にも優しく処分できます。

PCを廃棄する際は、セキュリティとコスト面を踏まえ、業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。

PCのデータを確実に消去&処分するならRe-Valueサービス

PC内のデータを完全に消去し、安全に廃棄したい企業様は、日本システムケアの「Re-Valueサービス」をご検討ください。NIST SP 800-88(※1)やIEEE 2883-2022(※2)などの国際ガイドラインを遵守したデータ消去方法を採用しており、情報漏洩のリスクを回避します。物理破壊や磁気破砕消去にも対応しており、ご希望に応じて破砕の証明となる写真の添付や実地確認も可能です。

さらに、PCを単に廃棄するのではなく、資産として当社に売却する仕組みのため、廃棄時に発生するマニフェストの管理が不要になります。買い取ったPCはリユースしたり、分解してリサイクル資源として使ったりなど資源として活用しますので、環境に優しいことも特徴です。

全国どこでも、1台から社員が対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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※1 NIST SP 800-88準拠方式:アメリカの政府機関であるNISTが推奨する最新のデータ消去方式のこと。
※2 IEEE 2883-2022:NISTの後継に該当する最新規格のデータ消去方式のこと。