PCのリプレイスにともなう導入費用に、頭を悩ませている企業は少なくありません。法人向けPCの相場は1台あたり5万円~20万円で、台数が多くなるほど導入費用が膨らみます。その結果、キャッシュフローが悪化する可能性があるため、予算が限られている場合は慎重な判断が必要です。
そのような導入時のコスト負担を軽減する方法のひとつとして、月額料金を支払ってPCを賃借するリースがあげられます。レンタルと似ている部分もありますが、費用相場や契約期間など、複数の相違点があります。
今回は、法人向けPCをリースする際の費用相場やレンタルPCとの費用比較など、両者の違いについて解説します。

法人向けPCをリースする際の費用相場

法人向けPCのリースにかかる費用の相場は、1台あたり月額3,000円〜5,000円程度です。

多くのリースサービスでは、契約期間ごとに費用が設定されており、年数が長くなるほど金額も大きくなります。

そのため長期契約を結ぶ際は、リースにかかる費用の総額とサービス内容を勘案した上で、購入する場合とどちらがコスト効率に優れているかを十分に検討する必要があります。

法人向けPCのリース料金の内訳

法人向けPCのリース料金には、主に次のような要素が含まれます。

・PCの購入費用:リース会社がPCの調達で支払った費用
・リース料率:リースPCに対して発生する毎月のリース料の割合
・動産総合保険:自然災害や偶発的な事故などの損害に備える保険

そのほか、リース会社の手数料や固定資産税なども加わります。また、保守・修理費用については、メーカー保証外の期間をリース会社でカバーする場合と、利用者側で対応が求められる場合があります。

なお、法人向けPCを購入する場合、将来的にはPCの廃棄コストがかかります。PCは産業廃棄物として扱われ、自治体には回収を依頼できないため、産業廃棄物処理業者などに廃棄を依頼しなければなりません。

産廃業者に処分を依頼する際の費用は、PC1台あたり1,000円~3,500円ほどに回収費用を上乗せした金額です。

その点、リースPCはリース会社に返却するだけで済みます。手間や費用がかかる廃棄処分をリース会社に一任できるのは、利用者側にとっての大きなメリットです。

法人向けPCのリースとレンタルはどちらが安い?

リースとレンタルは、利用者が料金を支払って物品を借りるという意味ではよく似たサービスですが、さまざまな点で違いがあります。

一般的な形態の違いは下記の通りです。

・リース:利用者の要望に応じた物品をリース会社が購入して貸し出す。

・レンタル:在庫から利用者が選んだ物品を賃借する。

続いて、月額費用や修理費用のほか、会計処理の面から、両者の違いを解説します。

月額費用の違い

先に述べたように、多くのリース会社では契約年数に応じて月額料金が設定されています。費用相場は、1台あたり月額3,000円~5,000円です。

対して、レンタルの場合は月額7,000円〜1万2,000円で、レンタル期間が短いほど割高になります。

月額費用のみで比較すると、レンタルよりもリースのほうがコストを抑えられる傾向にあることがわかります。

修理費用の違い

リースの場合、PCの保守義務は顧客側にあります。そのため、場合によってはPCの修理にかかる手間や費用は顧客側が負担しなければなりません。

通常、リース料金には動産総合保険の保険料が含まれますが、経年劣化や通常使用による故障には保険が適用されない場合が大半です。さらに保険の請求には時間がかかるため、業務停止などのリスクがある点は押さえておきましょう。

一方、レンタルはレンタル会社が保守義務を負うため、ほとんどの場合で修理費用はかかりません。

また、代替機を送るサービスなどを行っている場合もあります。

例えば日本システムケアでは、代替機と入れ替えで故障したPCを送り返していただく先出しセンドバック方式を採用しております。

最短翌日には代替機を発送しますので、ダウンタイムが発生するリスクを最小限に抑えることができます。

このように、PCの故障・トラブルが発生した際の修理費用もあわせて総額を考えると、リースよりもレンタルのほうが安くなるケースもあります。

会計処理方法の違い

企業の財務状況や戦略によっては、減価償却処理となるか、賃貸借処理になるかも重要なポイントです。

PCのレンタルにかかった料金は賃貸借処理となり、経費として一括で計上します。

一方、リースPCには2つの契約形態がありますが、ファイナンスリースでは減価償却処理が必要で、オペレーティングリースはレンタルと同じく毎月の支払額をそのまま経費計上します。

それぞれの違いは下記の通りです。

ファイナンスリース オペレーティングリース
内容 リース会社がPCを調達し、取得費用や経費などをリース料として回収する取引 契約終了時に行う残存価格の査定により、リース料を算定する取引
修理コスト 実質的に利用者が負担 リース会社が負担
契約終了後 返却か再リース(所有権移転) 返却
解約 中途解約は不可

 

※解約すると残リース相当の違約金が発生

中途解約が可能
会計処理 売買処理 賃貸借処理
減価償却 必要 不要

減価償却(ファイナンスリース)をする場合、費用を長期間に均等に分散できるため、単年度の利益への影響を抑えられる点がメリットです。

一括計上(レンタル、オペレーティングリース)の場合は課税所得を早期に減らせる可能性があります。

なお、ファイナンスリースは、契約終了後に利用者へ所有権が移る「所有権移転ファイナンスリース」と、所有権が移らない「所有権移転外ファイナンスリース」の2種類があります。所有権が移転される場合とされない場合で、償却期間の計算方法は異なります。

法人向けPCのリースとレンタルのそのほかの違い

続いて、費用面以外の観点から法人向けPCのリースとレンタルの違いをみていきましょう。

契約期間の違い

一般的に、リースの契約期間は法定耐用年数を基準に算定されます。多くの場合では、2年~5年以上を目安に契約期間が設定されています。

対して、レンタルPCの一般的な契約期間は数日~2年程度と幅があり、リースよりも短期の傾向です。

契約期間に費用相場も加味し、臨時的かつ短期的な使用を前提とするのであればレンタル、2年以上の長期的な継続使用が見込まれる場合はリースを選択することが一般的です。

途中解約時の対応の違い

国内で多くみられるファイナンスリースでは、原則として途中解約ができません。オペレーティングリースは、解約時に違約金が発生します。

一方、レンタルは基本的に途中解約が可能です。また、解約にあたって高額な違約金は発生しません。定められた差額を支払うだけで済むため、利用者のニーズや状況に合わせて柔軟に利用や返却ができます。

選べる機種の違い

リース会社は、利用者が希望するスペックや解決したい課題などをヒアリングした上で貸し出すPCを選定し、購入します。

そのため、利用者にとっては、希望に合ったPCを入手しやすいという利点があります。新品のPCや最新機種の調達も可能です。

それに対して、レンタルPCは、スペックや機種などの選択肢が限定される傾向にあります。

レンタル会社では、利用者の要望に合わせてPCを買い付けることはせず、在庫から利用者の希望に近いPCが貸し出されます。

PC到着までの期間の違い

リース契約の際は、原則与信審査があります。企業の実績や継続年数、信用情報、業種などさまざまな項目が審査対象といわれており、これには一定の時間を要します。PCが手元に届くまでの目安は、おおむね数週間です。

なおこのことから、社歴が浅い場合はリース契約ができない場合がある点は押さえておきましょう。

一方、レンタルでは審査がない場合がほとんどで、最短翌日での発送が可能なサービスもあります。在庫のPCから貸し出されるため、急な発注や追加発注にも迅速に対応可能です。

そのため、すぐにPCを手配したい場合や、会社設立後すぐの場合には、レンタルの利用をおすすめします。

まとめ

PCのリースやレンタルは、購入と比較して初期費用を抑えられる点が最大のメリットです。

リースの費用相場はPC1台あたり月額3,000円~5,000円で、レンタルよりも低コストの傾向にあります。スペックや機種にこだわって選べる点もメリットのひとつです。

ただし、与信審査があるため社歴が浅い場合には契約できない場合があります。また、長期の貸借を前提としたサービスですので、基本的に途中解約はできません。

レンタルでは機種やスペックが限定されます。その分、発注から利用開始までがスピーディーです。短期間の契約に適しており、レンタル料は経費として計上できます。また、保守・修理に対応するサービスもみられます。

PC調達の際は、それぞれの特徴を理解した上で自社の利用環境に合わせたサービスを選択しましょう。

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