現在Windows 10を使用している企業では、いずれWindows 11へのアップグレードが必要になります。とはいえ、社内のリソースが足りていないと、なかなか手をつけられないこともあるでしょう。
現在は無償アップグレードに対応していますが、いつ期間が終了するのか気になるところです。それまでに何をすべきなのかも把握しておくと安心です。
そこで今回は、Windows 11への無償アップグレード期間やそれまでにすべきこと、アップグレードをする際の手順について解説します。

Windows 11への無償アップグレード期間終了はいつ?

Microsoftは現時点で、Windows 11への無償アップグレード期間について明確な終了日を設定していません。これは、Windows 10からWindows 11へ、時期を問わず無償でアップグレードを実行できることを意味すると考えられます。

しかし過去、Windows 7/8からWindows 10への無償アップグレード期間は、Windows 10がリリースされてから1年で終了しました。

また、公式のプレスリリースでは下記のように示されており、今後無償アップグレード期間が終了する可能性もゼロではありません。

2022年半ばまでには、すべての対象デバイスに Windows 11 の無償アップグレードが提供されることを予定しています。
Windows 11 への無償アップグレードは段階的かつ計画的に

引用:Microsoft「Windows 11、10 月 5 日より提供開始

※2025年2月19日時点の内容です。

Windows 11への無償アップグレードを早めに済ませる重要性

現在、多くの企業で利用されているWindows 10ですが、その最終バージョンとなる22H2のサポートは2025年10月14日に終了することが決定しています。

この期限が過ぎると、下記のような深刻な問題が発生する可能性があります。

・セキュリティ上の脅威

Windows 10の脆弱性を狙ったサイバー攻撃のリスクが著しく高まります。新たな脆弱性が発見されても、セキュリティアップデートが提供されないため、システムが無防備な状態に置かれることになります。


・情報漏洩のリスク

セキュリティ対策が十分でない状態では、企業の機密情報や個人情報の漏洩につながる可能性が高まります。一度情報漏洩が発生すると、企業の信用失墜や多額の損害賠償などの事態を招くおそれがあります。


・サポート対応の停止

万が一、マルウェアやウイルスに感染してPCの操作に支障が出た場合でも、Microsoftによるサポートを受けることができません。

 

Windows 10のサポート終了までの期間は、残すところあと半年程度です。企業規模によっては、システム移行に相当な時間を要する場合もあります。

セキュリティリスクを最小限に抑え、円滑な業務継続を実現するためにも、早期のWindows 11へのアップグレードをご検討ください。

Windows 11への無償アップグレード期間中 にやるべきことリスト

Windows 11への移行を円滑に進めるためには、適切な準備が不可欠です。

ここでは、無償アップグレード期間中に企業がやるべき重要な作業について解説します。

アップグレード可能なPCかを確認する

Windows 11へのアップグレードには、Microsoftが定めるシステム要件を満たしている必要があります。

社内で使用されているPCが要件を満たしているかどうかは、設定画面の「Windows Update」から確認できます。

下記に、具体的なシステム要件をまとめましたので、参考にしてください。

CPU ・64ビット互換プロセッサ または 2コア以上で1GHz以上
メモリ ・4GB
ストレージ ・64GB以上
システムウェア ・UEFI、セキュアブート対応
TPM ・バージョン 2.0
グラフィックカード ・DirectX 12以降(WDDM 2.0以上)に対応
ディスプレイ解像度  

ディスプレイ解像度
・サイズが9インチ以上
・8ビットカラー
・720p以上

 その他 ・バージョン 2004以降のWindows 10
・Windows 11 Homeではインターネット接続とMicrosoftアカウントが必要

システム要件を満たすIntel、AMDそれぞれのCPUについては、下記から確認可能です。

Microsoft「Windows 11 でサポートされている Intel プロセッサ」「Windows 11 でサポートされている AMD プロセッサ

データやファイルをバックアップしておく

アップグレード作業を始める前に、データのバックアップを必ず実施してください。

バックアップ先としては、下記のようにPC本体以外の外部デバイスや媒体を使用することをおすすめします。

・外付けHDD
・USBメモリ
・クラウドストレージ
・ネットワークドライブ

特に機密情報にあたる重要なデータは、複数の媒体にバックアップを取っておくことで、より安全に移行作業を進めることができます。

なお、外付けHDDの場合には、アップグレード実行時にはPCから外しておきましょう。

Windows 10を更新する

Windows 11へのアップグレードはWindows 10の最新バージョンから行うことを前提としています。

万が一のトラブルを防ぐためにも、現在使用されているWindows 10が最新バージョンでない場合はあらかじめアップデートを行いましょう。

更新手順は下記の通りです。

1.「スタート」メニューを開く
2.「設定」をクリックする
3.「更新とセキュリティ」を選択する
4.「Windows Update」で更新プログラムをチェックする

この画面で、「最新の状態です」と表示されていれば問題ありません。

利用可能な更新プログラムがあれば、画面に従ってインストールしましょう。

Windows 11へのアップグレード方法

システム要件を満たしているPCについては、順次Windows 11へのアップグレードを進めましょう。

最後に、Windows 11へアップグレードする手順について解説します。

なお、アップグレード作業を始める前は必ずデータのバックアップを取り、十分な時間的余裕を持って作業を進めましょう。

作業中は電源が切れないよう注意し、ノートPCの場合はACアダプタを接続した状態で実施することが大切です。

Windows Updateからアップグレードする

最も安全で確実な方法として推奨されているのが、Windows Update経由でのアップグレードです。

手順は下記の通りです。

1.「設定」を開く
2.「更新とセキュリティ」を選択する
3.「Windows Update」をクリックする
4.「更新プログラムの確認」を選択する
5.Windows 11のアップグレードが表示されたら、「ダウンロードとインストール」を選択する

その後、画面の指示に従って作業を進めると、お使いのPCに最適化されたWindows 11が自動的にインストールされます。

インストールアシスタントでアップグレードする

Windows Update経由でアップグレードできない場合は、インストールアシスタントを使用する方法があります。

手順は下記の通りです。

1.Microsoftの公式サイトからWindows 11インストールアシスタントをダウンロードする
2.ダウンロードしたファイルを実行する
3.ライセンス条項を確認し、同意してインストール」をクリックする
4.インストールが完了したら今すぐ再起動」をクリックする

インストールメディアでアップグレードする

USBメモリやISOファイルを使用してアップグレードする方法もあります。複数のPCをアップグレードする場合や、インターネット接続が不安定な環境での作業に適しています。

手順は下記の通りです。

1.メディア作成ツールをダウンロードして実行する
2.ライセンス条項を確認し「同意する」をクリックする
3.「言語とエディション」が正しいことを確認し、「次へ」をクリックする
4.インストール媒体として「USBメモリ」または「ISOファイル」を選択し「次へ」をクリックする

まとめ

Windows 10のサポート終了が迫るなか、企業にとってWindows 11への移行は避けられない課題となっています。現時点では無償アップグレード期間の明確な終了日は設定されていませんが、サポート終了後のリスクを回避するためには早期対応が不可欠です。

特にPCを扱う人員の多い企業では、台数や業務への影響を考慮すると十分な準備期間を確保しなければなりません。

なお、アップグレード要件を満たしていないPCについては、データ消去と廃棄を行い、新しいPCを導入する必要があります。

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