PCの買い替えや入れ替えの時期が来たとき、あるいはPCが急に故障して買い替えが必要になったとき、どのようなフローで買い替えるべきなのでしょうか。
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今回は、法人PCの買い替えのタイミングや、買い替え前後にやるべきことについて紹介します。
目次
法人PCの適切な買い替えのタイミング
まずは、PCの買い替え時期を示す4つのサインを紹介します。
PCの寿命が来たとき
PCの寿命は、一般家庭での使用であれば5年程度といわれています。ただし、法人PCについては1日の使用時間が一般での使用よりも長くなりがちなので、購入から3年程度が寿命といわれています。
PCを構成するパーツのひとつに、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)があります。いずれも、データをPCに長期保存するために重要なパーツです。一般的に、HDDを備えたPCは3年、SSDを備えたPCは5年程度なら問題なく使用できるといわれています。
PCの寿命が近いと、ファイルの読み込みが遅い、フリーズの頻度が高い、Webページの読み込みに時間がかかるなどの症状がみられます。
パフォーマンスが低下し始めたとき
PCの動作が遅くなったり、反応が鈍くなったりなど、パフォーマンスが低下し始めたときも買い替えの時期です。
パフォーマンス低下の主な原因は、CPU(中央処理装置)とメモリのスペック不足です。CPUはPCの「頭脳」のようなもので、計算処理やプログラム実行を司る重要なパーツです。新しい世代のCPUが登場するたびに処理速度が向上し、省電力性能も高まっています。そのため、古いCPUを搭載したPCは、同じソフトウェアを動かしても、最新のCPUに比べて処理が遅く感じられることがあります。
また、メモリはPCが一時的にデータを保存して作業を行う領域で、容量が大きいほど多くの作業を同時に処理できます。メモリはソフトウェアやシステムの進化にともない、必要となる容量も増えます。実際、2020年には4GBのメモリでもPCの基本的な動作が問題なく行えましたが、2024年には標準が8GB程度になりました。そのため、現在のソフトウェアやシステムの要件に対して4GBでは処理が追いつかず、動作が遅くなる可能性があります。
つまり、購入時点から時間が経過しているほど、パフォーマンスが低下する可能性があるということです。
ストレージの空き容量が少なくなったとき
HDDやSSDは、書き込みと削除を繰り返してデータを保持する役割を持つ領域です。これらを長期間使用すると、空き容量が減少したり劣化したりして、PCのパフォーマンスが大幅に下がってしまいます。
具体的には、HDDは物理的なディスクに磁気的にデータを記録するため、長期間使用すると内部の部品が摩耗していきます。SSDは、各セルに書き込める回数が決まっており、一定回数を超えるとデータが書き込めなくなります。このような状況になると、HDDやSSDの交換が必要となり、場合によってはPC全体の買い替えが望ましいでしょう。
なお、SSDについては、比較的新しいものでも急に使えなくなることがあります。記憶媒体の異常や静電気によるダメージなどが主な原因です。
SSDは交換できる(基板直付けでない)機種であれば、業者などに交換を依頼するだけで対応可能です。ただし、PC本体の故障などでSSDが使えないケースでは、PCの買い替えが必要になります。
また、SSDの交換ができない機種やPC自体の分解が難しい機種(例えばMac製品やSurfaceシリーズなど)についても、PCの買い替えが必要です。
OSのサポート終了が決まったとき
OSのサポート終了もPCの買い替えを検討するタイミングといえるでしょう。サポートが終了すると、提供ベンダーからの不具合の修正や機能のアップデートが行われなくなります。さらに、OSの不具合を修正するパッチ(OSやソフトウェアのセキュリティや機能を更新するプログラムのこと)の提供も受けられません。セキュリティリスクが大幅に高まるため、早いうちから買い替えの準備を始めましょう。
ユーザーの多いWindowsについては、直近では、2025年10月14日にWindows10のサポート終了が予定されています。
Windows10のサポート終了による企業の対応については、下記の記事で詳しく紹介しています。
▼「Windows10のサポート終了でどうなる?企業が対応すべきポイント」
法人PCの買い替え前にやること
法人PCを買い替える場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。買い替え前にやるべき3つのことを紹介します。
バックアップするデータを整理する
買い替えの前に、必要なデータはバックアップを取っておかなければなりません。作業を円滑に進めるためにも、不要なデータを事前に削除しておきましょう。データ量が減るとバックアップの処理が速くなり、外部記録媒体(HDDやクラウド)の容量も節約できます。
この際に確認すべきデータは、下記の通りです。長期間使わないファイルや重複したデータ、古いメールなどは削除しましょう。
・各ドライブの保存データ ・メールの送受信フォルダ ・アドレス帳 ・インターネットブラウザに保存しているブックマーク ・外部からインストールしたアプリケーションやフォント |
バックアップをとる
次に、PCに保存されているデータのバックアップを取りましょう。バックアップを取る方法には、下記があげられます。
・社内サーバーに保存する
社内サーバーは、企業や組織が管理するデータ保管用のサーバーです。PCと同じネットワークに接続されているため、PCから直接ファイルをコピーして保存できます。 |
・外部記録媒体に保存する
外部記録媒体とは、USBメモリや外付けHDD、外付けSSDなどのデータ保管用デバイスです。PCのUSBポートなどに接続し、簡単にデータを保存できます。 |
・OSのバックアップ機能を利用する
OSのバックアップ機能は、WindowsやMacのOSに備わっている機能を活用してバックアップを行う方法です。 |
・クラウドを利用する
Google Drive、Dropbox、Microsoft OneDriveなど、インターネット経由でデータを保存できるサービスを利用する方法です。ただし、セキュリティリスクもあるため、重要なデータのバックアップはおすすめしません。 |
・データ移行ツールを利用する
データ移行ツールは、古いPCから新しいPCにデータを移行する専用のソフトウェアや機能です。MicrosoftやAppleなどのOS提供者やPCメーカーも移行ツールを提供しています。 |
ソフトウェアのライセンスを確認する
既存のソフトウェアを新しいPCでそのまま使うために、各ソフトウェアのライセンスやログイン情報を事前に確認しておきましょう。ライセンス情報は、一般的に、インストール時のメールや製品のアカウント管理ページ、またはライセンスキーを記載した用紙に記載されています。
ライセンスが必要なソフトウェアでは、適用できるPCの台数が制限されるケースもあります。例えば、Microsoft OfficeやAdobe製品などのライセンスは、インストール可能なPCの台数が決まっていることが多く、新しいPCで使うには移行が必要です。多くのソフトウェアには「ライセンス解除」または「ディアクティベーション(非アクティベーション)」という機能があり、古いPCで一度ライセンスを解除した後に、新しいPCでライセンスを有効にできます。
法人PCの買い替え後にやること

法人PCの買い替え後にすべき3つの作業を紹介します。
キッティングを行う
キッティングとは、購入したばかりのPCを使用できる状態にすることです。具体的には下記の作業を実施します。
・OSのセットアップ ・グループウェアのセットアップ ・ソフトウェアのセットアップ ・ネットワーク設定 ・セキュリティソフトのインストールや最適化 ・動作確認 ・周辺機器との接続設定 ・管理台帳への記帳 |
データを移行する
古いPCからバックアップしたデータを新しいPCへ移行します。
データ移行ツールやOSの機能などを使用しない場合は、切り取り(データを移動させる)ではなく、コピーして移行するようにしましょう。切り取りを行うと、データが途中で失われたり、移行がうまくいかなかったりした場合に、元のPCにもデータが残らないため、データを失うリスクがあります。コピーでデータを移行すれば、万が一のトラブルがあっても、元のPCにデータが残っているので、安心して移行作業を進められます。
また、バックアップは、法人PCの買い替えのタイミングだけでなく、普段から定期的に実施するのが理想です。バックアップしたデータは1か月を目安に残しておき、1か月経過後に上書きしましょう。
なお、古いPCに残っているデータは、データ移行後に削除します。
データの消去方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
「PC処分で安全にデータを消去する方法!注意点も解説」(2410月分№2)
古いPCを処分する
法人のPCは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づき適切に処分しなければなりません。PCの処分には、下記の方法があります。
・産業廃棄物処理業者に依頼する ・メーカーに回収してもらう ・リサイクル業者に依頼する |
いずれも業者と契約して処分が必要です。適切な業者でないと不法投棄などの問題が生じるため、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
PCのパフォーマンスが低下しているなどの症状がみられたり、HDDやSSDの寿命が到来していたりするのであれば、法人PCの買い替えを検討する時期といえるでしょう。
法人PCを買い替えるなら、古いPCの処分が必要です。適切な方法で処分できるようにしておきましょう。
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また、PCの買い取りは、処分コストの削減にもつながります。処分や買い取りをしたPCは日本システムケアに所有権が移転するため、PCの廃棄に必要なマニフェストの発行や管理も必要ありません。
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